雑草園顛末記《20》

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⑳ 922日は絶好の好日でした。
わたしたちの慎ましやかなる収穫祭が執り行われた日でした。
 本来なら一心同体と化した愛犬と共にサツマイモ掘りに携わったはずなのに、こればかりは如何ともしがたい。
 自由奔放に伸び切ったイモの蔓ではなく巨大に生育した雑草のなかで肩身の狭い思いで遠慮がちに育った御芋さんたちが漸くにして陽の目を見た。
 幸い孫たちが快く手助けに応じてくれた。
味気も素っ気もないわたしだけの収穫祭に孫たちが花を添えてくれた。
何分に土壌中の養分を雑草に横取りされた分痩せ細ったそれこそ味気も素っ気もない
御芋ではあるが孫たちはせっせと掘り起こしてくれた。
リリはお供できなかったが、わたしの胸中にはもう一人の孫同然のこの犬が今もなお居座っていた。