お祭りのフィナーレを迎えるに際し又してもちょっとしたハプニングを仕出かしてしまいました。
貫頭衣と云う麻袋を頭から被ったような袖なし衣装を一着づつ宛がわれたのです。
子どもたちは躊躇なく受け入れていたが年寄りにはやはり照れ臭ささが先走り恥ずかしさがあったが身に纏えば通気性は抜群で肌触りも野生的、何より麻の繊維独特の香りが弥生時代の自然人にタイムスリップするに相応しかったのです。
歳をとると面の皮が厚くなり、歳を重ねるうちに羞恥心が薄らいでゆくらしい。
何を思ったのか帰り際にわたしはズケズケと「此の衣装を実費で譲ってください」と懇願していたではありませんか。
ところが応対して戴いたチーフの御方はいとも容易く応諾して呉れたのです。
2000円くらいが相場かなとお値段をお伺いいたせば代金は不要だという。
このようなものでよろしければどうぞご自由に着服したままお帰り下さいと極めて好意的応対にあっけに取られるばかりでした。
当市の文化財には違いないが此の種の消耗品は我ら職員が毎年手縫いで補充するのでおよろしければご自由にお引き取り下さいと爽やかな笑顔が返ってきたのです。
ちょっとした綻びは有るにはあるが全然気にもせずラジオ体操時に着用します。