老いのひとこと

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稲わらの主は此の藁スベを何に用いるかはわたしは知らない。


聞こうとも思わないし聞いても仕方がない。


まさか馬や牛に喰わせるわけではなさそうだ。


縄や莚を編むのかも知れないし家庭菜園愛好家の敷藁用に転売するのか無料供与為されるのかその辺もわたしはわかりません。


兎に角、天日干しして乾かす魂胆であられるらしい。


御主人は俄か作りの稲架掛けをせっせと作られる、小作人とてせっせとお手伝い致さねばなるまい。


稲穂のない藁スベだけだと鉄棒遊びのプロペラまわりように直ぐにくるりと回転して落っこち易い。


此の歳になって大変面白いことを体験できたものだ。


何はともあれ身体と手先と頭を使う又とない機会を頂いたと喜こばなければなりません。最高の歓びを感じ取らねばならないのです。


 


ところが雨や台風襲来の情報で掛けた稲わらを袋に取り込む作業が待っていた。


これを徒労だと嘆いてはいけないのです、男が廃るのです。


満面の笑みで応えねばならないのです。