加賀の一向一揆の主戦場となった高尾城塞群の中をさ迷い歩けば乙な物に出逢った。
とは言え当時の武具や装身具、陶器の破片などではなく只単なる木片の一部だから笑わせる。
一見、流木のように窺えるが此処は高台なので城谷川の支流の谷川からは離れていよう。
実に子供じみているがあの一揆の頃から600年近い年月が経つ。
いくさに乗して伐採された樹木が地中に埋もれ偶々地表に現れた。
粘土質の地中に埋没してたので風化が免れ特に節目の部分が特異な形で残っている。
恰も兵用に徴用された馬の霊が乗り移ったようにも見える。
此れは確かに馬のたてがみのようにわたしの目には映る。
大自然が創りだす見事なアートに一目惚れ、前衛的奇抜なインテリアに早変わりした。
愈々視覚のみならず知覚までもが可笑しくなり申した。