老いのひとこと

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高尾城塞群というが其処は起伏にとんだ林道が網の目のように走り竹林がどこまでもつづく。


先日のやっさんとのドライブの最中に何の変哲もない根株を一つ拾うてきた。


樹径10センチほどの樹木を根元からチェンソーで伐採し根っ子だけは地中に埋もれていた。


それが何かの拍子に地上にとび出したのだろう。


取るに足らない代物に違いない。


況や高尾城塞の遺物とは全く無縁でそこらに転がる木屑同然だ。


ところが此の年老いし幼な子はそれをいとも大事に持ち帰ったではないか。


自然の造形物だが恰も奇抜な前衛アーチストの手による芸術品のようだ。


遠くから見ればまるで不定型な火焔土器のようではないか。


一見タコの足が複雑に絡んでいるようにも見えまいか。


さらによく観察すれば其処に二匹のキリンの子どもが遊ぶのです。


ヒグマか北極熊が顔を出しているのです。


幼児と何ら変わらない。


とうとう我が心境は子どもに返って仕舞った。