老いのひとこと

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未だ明けやらぬ6時半過ぎに少年が一人グランドでボールを蹴る。


思い切りよく満身の力を籠めキックする。


時折り歓声を上げ飛び跳ね駆け抜ける。


此の少年はまだ小学校1年生のおさな子だ。


ジョロウ蜘蛛やアマガエルを手の平にして会話のできる都会っ子だ。


木登りを得意とする野生っ子だ。


日毎、近くの公園に三々五々近辺のシニア連が集結し体操に興ずる。


此処に集まる年寄り連中には此の少年は掛買いのないアイドルボーイになってしまった。


誰彼となく温かい眼差しを此の少年に贈る。


無形の元気と鋭気を此の少年からみんなが戴いている。


目覚ましを6時にセットしお母さん手作りのラジオ体操出欠表を大切に持参して此の時季未だに日参する。


6時はまだ真っ暗闇、一人家を出て我らの前に出現す。


健気な見上げた子だ。


颯人くん今日も元気を有り難う。


 


尤も師走の声を聞くと共に彼は遠ざかって行ってしまった。


ばん止む無し、万が一と云う事も無きにしも非ず。


それで良いのです。