老いのひとこと

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足腰が決して万全ではない。


でも労わりながらならからだは動く。


二つの我が胸中が揺れ動き葛藤するではないか。


若しや万が一にも道場で不測の事態に陥りはしまいか。


傍迷惑を及ぼす無様は絶対に避けねばなるまい。


先見の目を見開いて対応いたさねばなるまい。


 


もう一つは斯くなる口実を以って稽古の場へ身を呈する事を躊躇してしまう。


つまりは寒いから遠いから疎いから今日は止めて置こう。


おのれのひ弱な心、邪な心、逃げの心におのれ自身が負けてしまう。


生意気にも非心を切るをモットーに自分なりに生きて来た以上その志をひん曲げるわけにもいかぬ。


今日は此の「非切」の信念を貫いてきた。


閻魔大王さんも薄っすら微笑みながら見下ろしてくれたではないか。


 


処が又しても失態を演ず、眼鏡を置き忘れて仕舞ったことに気付く。


一大事と武道館まで引き返し捜すが無い駄目な奴だと観念し帰宅すればトイレに在ったと皆から笑われ痛し痒し、正月早々何んともはや呆れた奴ではないか。