早起き体操会に赴けば藤棚の下に帽子が置き忘れている。
よくあることだと暫しベンチに身を置けば一人の人物が現われお顔を拝見するまでもなくそれは山田さんではありませんか。
かれこれ三年振りになりましょうか懐かしい人物との再会が叶いどちらともなく手を差し伸べ合って固く握手を取り交わしたのです。
とは申せど此の山田さんとはそんなに親密なる間柄ではない。
偶々この会場で体操が始まる四五分前に世間話に興ずる程度ではあるが此のわたしにすれば希薄な交友関係の中にあっては極めて貴重な存在になる。
さて、明日からの体操に小さな彩が添えられそうだ。
嬉しいことだ。