老いのひとこと

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                     むかし孫が蝉取りした手製の網



額四峠をペタルを漕ぐ。


遙か前方に人影あり。


紛れもなく白いカッターに黒いズボンの高校生が独り草叢に腰を屈める。


真っ白いひらひらした物体が目に入る。


近付けばそれが捕虫網であることに気が付いた。


昆虫採集ですかと声を掛ける。


物怖じせずはっきりした口調で応じて呉れる。


珍しいのがいますかと聞けば「バッタ」ですと答える。


学校名を尋ねるのは失礼かと学年を聞いてみたら「私は学生ではありません」「社会人です」と、


「皆さんからそう云われます」と屈託なく笑みをこぼす。


「何を研究されていますか」と云えば、いいえ違います飼育中のカエルの餌を捕獲中ですと答えがくる。


虫籠をお見せしますと中まで見せて貰った。


ガマさんですかと聞けば飛んでもないアマガエルですと応じて呉れた。


癒しのペット、和やかな麗しい令和の時代を迎えても癒しなしでは人は生きてはいけないのです。


 


それにしても少し変わった青年でした。


いや変わってはいない極めて個性的な若者でした。


自分自身としっかり向き合うことの出来る立派なお人に逢えてとても良かった。


 


デジカメ不携帯をミスった。