老いのひとこと

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敢えて校名は伏すことにする。

何時ものコースを朝の散歩すればバス通りの歩道にて遥か前方より小学生の隊列を捉える。

わたしは車道へ降りて隅っこで歩みをとった。

先頭を引率すのが長身の男先生、わたくしとすれ違うが何らの表情もなく通り過ぎてゆく。

後続の子どもたちも知らぬ顔をして前へと進み行く。

お行儀良く振舞っている。

髭ずらの爺やの方から「こんにちは」と声を掛けてみた。

案の定逸早く反応が在った、あちこちから「こんにちは」「こんにちは」と返ってきた。

2年生かな」と尋ねれば「はい、そうです」と至って元気がよい。

本来の生き生きした子供らしさが間違いなく其処に在った。

 

 

それにしても教師は教師らしく威厳を保つも好かろうが見知らぬ道行く人に気安く笑みを湛えて挨拶を交わす程度のマナーもあってもよいではないか。

子どもたちに範を垂れて実演してみる人間味溢れる教師像であってほしいものだ。

昨今の学校現場では見知らぬ人の出逢ったら気安く声を掛けてはいけません、痴漢かも知れないので大声を張り上げて逃げなさいと説諭しているやに聞く。

怪しげな髭面の如何わしき痴漢に見立てられたのでしょう、然もありなん万止む無しと言わざるを得まい。

 

しかしお互い皆んな人間同士、気まずい思いでいるよりも極々自然に道行く人同士が軽い会釈を交わし合うそんな世の中であったらいいなあ、つくづくそんなことを想いながら歩みを続けた。