老いのひとこと

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本当に久しぶりに居合を抜いた。

所どころに挙動曖昧な箇所があったものの何んとか全剣連制定居合をこなせた。

勿論、大事を取って模擬刀を持参したもののやはり真向より斬り下ろせば気引き締まり背筋が伸びる。

とは言え如何にせん体力的には限界に近い御身ゆえ無理は禁物、緩慢にして柔和にそろりそろりと抜く。

立ち技は兎も角もっとも肝要なる一本目前が一番むずかしい。

何せ誤魔化しがきかない適当に妥協でも致せば様にはなるまい。

血振りの際に振り切ると同時に腰を立て両足で踏ん張り立ち上がらねばならない。

どうしてもバランス保てずぐらりと致す。

もはや昇段も大会出場もどことん無関係でお構いなしではあるが雲の陰にお隠れの閻魔様に笑われたら拙かろう。

おのれの気の蓄電池に充電を怠れば勢いよく雪崩を打ってしおれ行くばかりだ。

 

刃筋正しく闇夜の空間を斬る。

ただ其れのみ。

 

日曜の夕刻此処鶴来道場より後高山を仰ぎつつ白山大権現の霊気を戴くのです。