老いのひとこと

明日のことなんて分かりっこない。

今日の日の今を大切に懸命に事を為す。

 

歩み始める最初の頃は何となく気持ちも重く足も重い。

すんなり行かず引き摺るように縺れるように五体が何となく無安定だ。

歩行と云う基本動作の終着駅が近いのかも知れない、悪夢が走る。

正直のところ此の永遠の足止めが直ぐ其処なのかも知れないが、そんな後ろ向きな思考は以ての外だと打ち消しながら気を取り戻す。

木香薔薇の時節がやって来たが黄花の八重咲には匂いはない。

同じく黄色の八重山吹にも香りがない。

今を盛りに芳醇な香りを振り撒く藤の花の下に身を置き暫し佇む。

ラベンダーも魅惑のバリアを確と囲いおる。

 

香り無くて好し

有ってなお良し

春の花

 

今日も歩けた快挙にひとり天に感謝申しおる。