老いのひとこと

水石なんて言う優雅で高貴な趣味は本来持ち合わせない、興味も関心も持ち合わせる筈がなかろう。

 

そんなものが今此処にきて急に石を愛でたくなったのは陶芸の遊びごとに行き詰まり題材探しに困り始めたからなのだ。

骨壺にまで手を染めて更に行き詰まり感を強めた折にふと気付いた。

無尽蔵に転がる何の取り柄も無い石ころにもなにがしかの存在価値を見い出してみたら面白いではなかろうかと閃いたのです。

くだらない石ころを台座の上に祭り上げればどんな気分になるものだろうか。

水盤に小砂利を敷いて其の上に飾り立てて見たらさぞかし悦びはしまいか。

我が身なりに創作意欲を駆り立てながらミニ水盤作りに精を出す。

7ミリのたたらを長楕円に切り離しぐるりを取り囲んだけの代物に過ぎなかろう。

でも少しばかり品ある小品に仕上がったと、また自画自賛したくもなる。

 

コークスの欠片のような駄石が生き生きと蘇えったように見えるのはわたしだけであっても好いじゃないイイジャナイカ