老いぼれの弓事始め《31》

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こころを研ぎ澄ます事の大切さを授けてください
 
㉛今日も巻き藁の前にて営々と射放つ。
ボデイビルで筋骨隆々を目指すのではない。
如何に強弓であれ腕力や筋力で引いてはならん鉄則と教えがある。
脱力脱力とまるで念仏を唱えるようにことに当たるのだがどうしても力みが入る。
おのれの様をおのれが監視する。
鏡に映るおのれがおのれ自身と自問自答する。
矢で射ぬくのは的ではなくおのれ自身なんだと教本は言う。
至らぬおのれ、怠惰なおのれ、ひ弱なおのれを斬る。
非心を斬る、非切の教えと見事合致する。
至らぬおのれ、怠惰なおのれ、ひ弱なおのれを射抜く。
非心を射抜く、非らざるを射るの教えに違いない。
彼のドイツ人哲学者オイゲン・ヘルケル氏は巻き藁修行を丸四年間も耐え抜いた方だという。
彼の人を生きた教本として巻藁から生きた精神不動心を藁すべにもすがる思いで追い求めなければならない。