沖縄の旅«2»

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沖縄旅日記  二〇〇七年十二月十二日~十四日
 
 
 ②先ずは、一般国道五八号線を北上し東南植物楽園を目指す。
車窓より窺う右側の光景はいわずと知れた延々と続く有刺鉄線に覆われた物々しき金網そのものだ。
ガイドさんの声もどことなく重々しく、職業柄おのれの感情を明らかに抑制している様子を窺い知ったわけだ。
敢えて、そのように演出することで、心ある日本人の理性に言葉の裏に存するものを強烈にアピールしていたのだろうか。
わたしはこのバス車内で訴え続ける女性ガイドと米軍基地もしくは米兵との抜き差しならぬ確執を紛れもなく感じ取った。
いうにいわれぬ怨念のようなものを腹の底に秘めていることを知った。
勤務に専心される真摯な表情の中に、殊の外まなこだけが激しく燃えていた。
普天間から嘉手納へと続く異様なる光景の中に、沖縄の住民と米軍とを隔離する不気味な壁をいやが上にも意識した。