老いぼれの独り言

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故意たらしい言い草のように聞こえるかもしれません。
例によって例の如く又しても忘れ物を仕出かした。
何時ものようにいそいそと額谷に出向き館内に入ると山岸さんが怪訝そうに黒い袋をどうしたのかと言う。
竹刀袋を忘れたことにその時漸くにして気付いた訳だ。
お粗末にも程がある。
剣術修行の身でありながら武具を忘れるとは道義に反する。
恥を知れ!此の愚か者めが!
『喝』がとぶ。
白足袋なしに弓道場の床を踏みこっぴどく ( たしな )められたばかりではないか。
仕様がないので今日はランニングだけに留めようとした折に山岸さんがよいものがあると見せてくれた。
見ればデッキブラシの本体が取れた竹製の取っ手そのものだ。
木刀の定寸に近い、反りこそないがまるで白樫の木刀そのものの感触だ。
此れ幸いと軽い刀を刃筋正しく切先鋭く走ってピシッと制止(静止)が適うように幾度となく素振りを繰り返した。
軽い竹刀を重く用いる、恰好の材料となった。
既に館内の室温35度C、無風状態でとにかく暑い。
災い転じてなんとやら、怪我の功名とでも言うべきか。