老いぼれの独り言

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この一連の騒動で心身ともに疲れ果てた。
鬱積 (うっせき )したフラストレーションが安眠を妨げ寝言にまで現れた。
時代錯誤に陥ってしまった。
(あたか )も遠い昔に立ち返った様な堅苦しい雰囲気に息が詰まり、熱帯夜と重なり真実息苦しいのである。
とは言え、斯くなる不浄 (ふじょう )なる邪念をあの神聖なる尚道館道場にて浄化 (じょうか ) ( )してや昇華 (しょうか )させるなんて忍び難い。
勿体なくて出来っこない。
そのような冒涜 (ぼうとく )行為 (こうい )はわたしには出来ない。
にも (かかわ )らず、日曜日の夕刻に到ればおのずと道場の床の上に立つ。
道場の床は何も言わずに迎え入れてくれる。
道場の床はやさしく足裏を愛撫してくれるではないか。
邪念をば激しく右足着床と同時に踏み付け踏み (にじ )る。
道場の床は間髪を入れずに呼応し着床音を発す。
同時に竹刀大きく振り切り裂帛 (れっぱく )の発声音が四方八方に (とどろ )く。
道場の床は全て御見通しなのだ。
不浄なる邪念を浄化し昇華させることを全て御見通しだったのだ。
更には、棋聖大山康晴氏直筆の手による扁額 (へんがく )の文字が勇気百倍、 (いわん )渾身 (こんしん )からの闘争心を吾れに授けてくれた。
残り少なくなった、此の道場に愛惜の念禁じ得ない。