何一つ物にした験しはない。
抜きんじて他の追従を許さぬような物は何もないということだ。
ただ何でもござれ手当たり次第に手懐けてきただけのことでしょう。
ふれあい球場でノボール六人衆で投げたり取ったり打ったりして楽しんだものだ。
館内では板宮ご夫妻のご好意で卓球にも打ち興した。
暫しのラリーが成り立って大いに得心できるまで成長した。
剣道居合はもとより弓道にも首を突っ込んでしまい今や終生の友が大勢居るのです。
自分で言うのも烏滸がましいのだが事スポーツ競技には自信があった。
町内のゲートボールでは行き成りホールインワンを仕出かしみなから恐れられたほどだ。
ところがどうした事か、此の事ボーリングに関してだけはそうは行かぬのです。
まるっきしダメなのだ。
足は4歩踏み出す4挙動に対しボールを持つ右腕の動きは3挙動でしかない。
此の基本の基本を指示されただけでわたしは戸惑い躓いてしまった。
足と手がバラバラ、心技体の技が成り立たずバラバラ事件の連続なのだ。
我が身の運動神経の無さに幻滅し自信は完全に喪失しくらくらと眩暈までした。
おまけに、此のボーリング競技は各人の過去のデータを集計しランク付けをあからさまに公表いたすのです。
無惨にも此のわたしは最下位で在ることを知り些かどころか甚大なるショックを受けざるを得なかった。
こうなれば眩暈どころではないボーリングに嫌気が指し忌み嫌うまでになった。
ナンバーワンを目指し皆の衆を競わせるのです。
大いに結構なことです。
当然あり得ることには違いない。
ところが実力のランク付けと公表にいたれば必然的にワーストワンが決定つけられる。
人間の品評会にはいくら何でも付いては行けないと思った。
やっぱり、わたしはスマップのナンバーワンよりオンリーワンの旋律が過ぎってゆくのです。
あの歌の存在価値を今更のように評価したいのです。
ダメ人間たちを甘やかすに過ぎぬ下劣な歌だと酷評する輩がいるらしいがわたしは全く合点はしない。
いじめも自死も血生臭い事件をも根絶させる為にスマップよ大いに気を吐いて歌ってください。