老いのひとこと

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同じ窯仲間の方から例によって今回も同じ釜の飯を食べ合おうじゃないかと粋なお誘いと受けたのです。


処が、約束の日時に約束の場所に顔を出したがどなたもいらっしゃらないではないか。


人を欺くような方ではない、恐らく何かのっぴきならぬ事情があっての事だろうと電話いたそうと電話帳を捜すがどうも登録がなされてはいないようだ。


考え倦んだ末にふとそのお方がお近くの郵便局で絵手紙の個展を催された事に気付きその郵便局へ事情を添えて依頼すれば快く応諾して頂けたのです。


当郵便局よりそのお方の許へ連絡を入れ依頼主である此のわたしに電話を入れて下さるように取り計らいますよと大変親切な言葉を頂戴したのです。


取りも直さずわたしは生年月日こそ省いたが住所と氏名に電話番号をはっきりと明言しその受付嬢に言付けたのであります。


千秋の想いで受話器の前で待てば早速一本入ってきた。


その電話の主は先程の郵便局の局長を名乗る方であった。


処が意外や意外、当方には守秘義務なるものがあって先方様への迷惑を考えて電話を取り継ぐは出来かねると極めて連れないことを申すではないか。


日本国中津々浦々までサービス網を巡らすはずの日本郵政でなかったのかと耳を疑ったがどうしても聞き入れては貰えなかった。


何もその絵手紙の先生の電話番号を聞き出そうと致したのではない。


そのお方へ此のわたしの許へ電話を入れて頂くように取り継いでほしかっただけなのです。


この程度のサービスが守秘義務に反する行為だとはどうしても理解できなかった。


プライバシー保護という言葉だけが日本国中を一人歩きしているように感じた。