老いのひとこと

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二週間振りに陶芸工房に顔を出す。


窓際の棚には素焼き前の作品から素焼きのままのもの既に本焼きされたもの等が雑然と並ぶ。


作者の意中を汲みながらつらつら見て行くうちにお結びの様なみすぼらしい焼物がある。


見るまでもなかった、紛れもしない我が輩の作ではないか。


先日持ち帰ったはずなのに遂うっかり置いてきぼりにしてたことになる。


こりゃいくら何でも無情なことを仕出かしたものだと逸早くまるで隠し盗るようにわがポケットに仕舞い込んだのでした。


貧弱な小品に違いないが夫れ為るがこそ此奴(こいつ)に存在感を見出してやらねばなるまい。


誰に媚びるわけでもなく控えめに目立たぬように


此の世に命を咲かす名もなき草木にも輝かしい存在感を与えてやれるのは此奴(こいつ)かもしれない。


引き立て役として打って付けではなかろうか。


共に支え合い認め合って倹しいながらも共存し合って呉れ給え。


 


赤まんまを添えて見た。