老いのひとこと

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越前焼の窯元へ研修旅行に赴いた際に其処で一つの茶香炉にお目に掛かった。


多くの作品の中で目立たぬ存在ではあったが何故かしらそれだけが言い知れぬ気品を漂わせていた。


その時、何時かは自分も挑んでみようと思っていた。


徳利でお酒を呑むことがあっても流石に香炉を焚いて静かに寛ぐような時間的な余裕はどこにもない。


況してや、香を焚くような住まいも佇まいもあるはずもなかろう。


焚いたとしても偶に蚊取り線香の容器で侘びしく気分転換を図るだけでありましょう。


 


以前に手掛けたランプシェードを思い出しながら制作に勤しんだのだが崩落し欠損する事故を克服しながらも今漸くにして焼き上がってきた。


我が家には似つかわしくない代物ではあるが丁重に玄関先の専用ギャラリーに陳列いたしましょう。


 


香ばしい薫りで身もこころもリラックスしストレスを発散解消させる効能があるのだと教科書に書いてある。


病気、取り分け現代風の精神的ダメージからの克服、


治療や療法として役に立っているのだという。


好いじゃありませんか、結構じゃございませんでしょうか。


茶葉は安物で良いらしい、焼かれた葉っぱは急須で煎じて飲めばよろしかろう。


今度はコーヒー豆で試してみることに致しましよう。