案じた通り手製の「トロフィー」は失敗に終わった。
ジュラルミン製の心棒が燃え尽きずに本体は物の見事に三つに分解していた。
台座の部分とカップの部分は何とか無難だったが細く括れた支柱の部分に無理が生したのだろう。
愛しき愛児を失ったも同然、悔しかったがどうしようもない。
ゴミ捨て場へ持ち込もうとした時先生方から待ったが掛かった。
本焼きの後に接着剤で結合させれば事は済むのだといとも簡単におっしゃる。
何事によらず万般すべてが上手く行くとは限らない。
最善を尽くしてダメなら次善の策を講ずればよい。
結果的にその方が最善策とならぬとも限らない。
失敗をするは当たり前のこと、その失敗に挫けることなくその失敗を乗り越えて行ってこそ醍醐味があろう。
陶芸の世界だけでなく人生そのものがそのようなものではありませんかとこころ和む忠告をいただく。
さすがおお先生大変良いお話をいただいたものだ。