老いのひとこと

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何も知らぬ者が知ったか振りをして物申すは下の下の仕業でしよう。


陶芸に手を染めて間もなき者が高慢ちきな空言を口ばしるは烏滸がましい限りであります。


今や全世界からの衆目を浴び焦眉の急を告げる事態と化した時の人「金正恩( キムジョンナム)こと好からぬことに結び付けてしまった。


迷惑千万な暴挙を仕出かす此の小男の国へ嘗て我らが太閤殿下ご存命の折りには文禄・慶長の役と称して15万もの大軍を送り略奪の限りを尽くしたことがある。


その折に出兵に応じた肥前佐賀藩の藩主鍋島直茂李朝白磁名工「李參平」ら幾人かを拉致監禁し有田の地で朝鮮焼物を焼かせたのが世に云う「有田焼」の起こりに他ならないのだという。


此の陶磁器生産の最先進地「有田」へ我らが前田藩の支藩大聖寺の藩主前田利治は才子後藤才次郎を遣わし「有田焼」の何たるかを学ばせたのだという。


恐らくは「李參平」からも直々に伝授されたのではなかろうか。


「有田焼」と「古九谷」の因縁はここに在って古九谷論争の論拠は此処に在るのでありましょう。


松尾芭蕉をも絡み、その間の事実の真相は定かではないにしても「事実は小説よりも奇なり」の言葉通りではありませんか。


つまりは、目には見えないけれど九谷焼の奥深き内面の隅っこにほんの僅かながらも百済高句麗から連れて来られた陶工たちの無念の痕跡が残っては居やしまいかと変なことを思ったのです。


 


訳も解からずただ捏ね回すだけの新参者が一ちょ前にものを云っても始まらない。


 


況してや、高遠なる天下の「九谷焼」とは関係なき単なる土いじりの世界に片足突っ込んだだけのわたしではあるが此の粘土の中に閉じ込められた朝鮮人陶工たちの切なき思いとか怒りに近い悲憤とか義憤とかを何としても肌で感じ取りたい気持ちだけは持ち合わすのです。


大外れた願いを僭越ながら抱きつづける此のうつけ者を笑わば笑いなさい。


柳宗悦氏が云う朝鮮人陶工たちの「悲哀の美」とは一体何たるかを「東洋陶磁美術館」にて直に鑑賞してみたいものです。


たまたま、来月には上阪する機会があるので是非行かねばならない。