老いのひとこと

イメージ 1



9・19のあの理不尽なる強行採決の場面を彷彿として思い出しながら春の雨がそぼ降る中香林坊の中央公園広場へ馳せ参じた。


色取り取りの雨傘の中各種各様の幟旗が林立し各陣営陣容が陣立てに忙しなく駆られている。


こころの中でいくら異を唱えようが行動に移さぬ限り空念仏に過ぎなかろう。


老躯をおし路線バスに乗りました。


同志の輩はいません、わたくし一人の単独行動でしかありません。


立ち並ぶ雨傘の後部にわたしも陣取り入れ替わり立ち替わり檄を飛ばす弁士の言葉に耳を傾けました。


願わくば此の拡声器の声がもっともっとあまねく広く香林坊から片町通りにまで鳴り響いて「卯辰山の泣き一揆」の再現を期すべきではなかろうかと独り歯痒い想いに浸ったのでした。


そうした中にあって一際歯切れ良く物凄い気っ風の持ち主が壇上に立った。


聞くものの心情にぐさりと突き刺さってきた。


聞くものに勇気と闘志を駆り立てるに足る洗練された若々しき声量の持ち主で在られた。


その時は弁士の紹介を聞き漏らし何方であったかは判らなかった。


ところが翌朝の新聞を見て成程なりと大いに納得致したのです。


何んと第一面のトップ記事に写真入りでシールズ主要メンバーの来沢を伝えていたのです。


 


わたくしも只黙々と行進の列の最後尾に位置し歩きました。


夕方5時頃ではあったがアトリオ前のバス停以外は片町通りにもスクランブル交差点にも人通りは途絶えて閑散としていた。


冷たい春の雨だけは間断なく降りつづいていました。


 

イメージ 2