老いのひとこと

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扁壺と書いて音読みすれば「へんこ」となることを迂闊にも知らなかった。


常識のない奴で困ったものです。


壺の字の音読みを「こ」ということを知らなかったひとがいる。


これは自作の「へんツボ」だと云って得意顔をいたせば物笑いだった。


扁の字は音読みで「へん」というが訓読みについても知らなかった。


「たいら」とか「ひらたい」というらしいが普段はあまり用いたことがない。


「たいらつぼ」とか「ひらたいつぼ」とは聞いた事がない。


 


ドラのように押し潰されたような扁平な恰好の酒壷であるらしい。


紐で吊るせば携帯用にもなるという。


図らずもトリスエキストラのポケット瓶を思い出したのだが「へんこ」も知らずにデカデカと酒のことを語る資格は此のわたしにはないのである。


何を隠そう実は中川一政美術館に配列される此の扁壺に惚れ込んで猿真似を企んだまでなのである。


ところが、摸写模倣と云えども絶対においそれとは行くはずがない。


似ても似つかない化け物のような姿かたちになってしまったではないか。


でも、それで良いのです、此の世に双つとして存在しない唯一絶対の「オンリーワン」に違いない。


おくびにも立てず堂々と此れはわたくし自作の「扁壺( へんつぼ)」だと高らかに宣言いたさねばなりません。


「へんツボ」と云えばいいじゃありませんか。


美味いお酒に早くも捻じり鉢巻きをして大変なご機嫌じゃありませんか。