老いのひとこと

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紫蘭が知らん間に繁茂し屈強な根を張り巡らせた。


歯も立たない鍬の刃も寄せ付けず跳ね飛ばされる。


鶴嘴を打ち込み抉じ開け少しづつ毟り取る。


強固に地下茎を張って互いに生存権を主張し合う。


狭い空間に密生しよくぞ窒息死しなかったものだ共倒れ立ち枯れに至らなかったものだ。


さすが最強の生命力を誇る紫蘭だけあって大したものだ感心いたすばかり。


肩寄合う愛睦まじき紫蘭家族を強引に破壊し尽した人に非ざる行為を恥ずかしく思わねばなりません。


草木成仏の仏の教えに反するじつに惨たらしいことをしたものだ。


ならば、罪滅ぼしに此の紫蘭の球茎を我が食に供して弔うべしと判断した。


でも、若しや宿した毒性が我が体内に回りて重大な天罰を被らないとも限らないと市の農業センターと県の自然史資料館へ問い合わせてみた。


毒性なくむしろ漢方胃腸薬に重用されるという。


但し、通常は人間はあまり口にはしませんよ、と教えられた。


料理法は知らんよと云われました。