老いのひとこと

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壁を背にしてだるまさんがいる。


面壁九年のだるまさんではない。


臨済宗をこころざすだるまさんでしょう。


明るく赤色の法衣が少し汚れたのかくすんだ赤色に変色してしまいました。


赤銅色 (しゃくどうしょく)と呼べばよろしかろうか。


それとも ( あかね ) ( いろ )と表せばよかろうか。


あるひは大好きな弁柄 ( べんがら ) ( いろ )にいたしましょうか。


何れにしろ趣深い赤色になってよかったわい。


左目は黒く塗り込まれるが全て何もかも只の一つとして願い事は成就いたしては居りません。


未だ未練たらしく両脚が覗いています。


どっしり腰を下ろした座禅の真姿にはまだまだ程遠い。


修行はまだ浅い。


緑なす繁縷の絨毯はもう少し座り心地が良さそうに敷き並べれば好かったものにと残念に思ったりもする。


壁を背に未完のだるまさんが此処に居る。