老いのひとこと

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上手とか下手糞とか見栄えが良いとか悪いとか関係はない。


要はその作者が精魂込めて創り上げた痕跡がその作品の中にそれとなく残されているかいないかが問題でしょう。


まことに技術的に稚拙で粗野で纏まりを欠いていても何かしら取り柄らしき特徴を曳き出し得ればそれで好い。


そのように随分と我が作品をひいき目に眺め回してみるのだが何処からどう観察してもそれがない。


センスのない野暮ったさばかりで其処には品位とか気位とか気品の欠片も見出し得ないではないか。


弱ったものだ。


ところが、そのような我楽多を資料館の先生方は誠意をもって補修してくださった。


さすが石膏を用いた本格的手直しは予算も伴う事もあり期待する方が図々しかろう。


それにしても、みすぼらしい程の駄作が立派に返り咲き甦りました。


薄目でぼんやりとまるで遠山を望むがごとく暫し眺むれば見事な芸術的気品ただよう秀作にみえてくるではないか。


又しても、我が形見のような名品が一つ増えたことになる。