大阪の旅≪1≫

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  1. 苦節三十年、裸一貫で故郷を飛び出し今や押しも押されもせぬ本物の大阪人になってしまった。


我が三男坊は紛れもなく大阪の住人になったことをこころから祝福してやらねばならない。


手狭になったので京セラドームを見下ろすマンションを手放しより広き空間を求めて転居を決断したという。


旧居の売買が成立し正式に新居購入の手続きが終わったので親としても是非とも愛でてやりたかったのです。


超高層マンションの27階より眼下を見下ろす念願が今漸く叶ったと誇らしげにいう。


学業成らず学業を捨てて腕一本を頼りに椅子張工技能士を目指したその甲斐あって終生の素晴らしき伴侶と一男三女の子宝にも恵まれ今や此の新居をまで手に入れてしまった果報者に違いない。


学業なんか無くてもおのれの人生をしっかと確立した何よりの実例なのだとわたしは声を大にしたい。


さらには、今や大卒と専門学校出の若き二人のお弟子さんを同時に抱えて専ら手解きに余念がない。


弟子たちが熱心にメモと取る姿をみるとこちらの意欲も弥益すのだと息子はうれしそうだ。


 


出入り六日間の大阪の旅に出たことになる。