此れが象嵌だと申せば笑われましょう。
工芸王国に住むものとしていかにも恥ずかしい。
何も知らぬものが面白半分にふざけることは慎まねばなりません。
陶土の素地の上に異質の物体をうずめて嵌め込む事が本来の陶象嵌の意味らしい。
とは云うものの此の単細胞人間は無粋にも例の額四峠で採取した四十万土の素地にこれまた額谷にて採取した珪化木の破片を嵌め込んでみた。
此の珪化木は1250度の融解温度に耐えて原形を留めることは既に実証済み。
ただ黒っぽい色が白っぽく変色はするのだが陶土には馴染んで四十万土と珪化木は完璧に融解接合を果たした。
此の両者は大変相性がよさそうだ。
心の一文字をこころして配置したつもりだが然程こころに響く気品も品位も伝わらないのは残念です。
花器によしミニ水盤にこれまたよし、はたまた気が向けばぐい吞みにもさらによし。