老いのひとこと

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とんだ御縁があるものです。
鶏が取り持つ縁とでも申せばよいのだろうか。
いつもの自転車スラロームに興ずる鶏小屋の御主人は途轍もなく気さくな御方ではないか。
こんな御方に未だ嘗てお目に掛かったことはなかった。
又と存在しない好人物に巡り合ったものだ。
川北温泉の入場券が在るのでご一緒したいと突然言い出す。
あっという間に共同浴場の銭湯で互いに背中を流し合う間柄にまで急変致したではないか。
とにかく理屈なしにご奇特で気の利く御方です。
何の抵抗も戸惑いもなく赤の他人に対しおのれの好意をあからさまにぶつけて来られる。  
近来稀にみる仏のような人物に違いない。
併せて何と驚くなかれ此のわたしに畑に適用できる休閑地を少々持ち合わせるので野菜でも作ってみないかと勧めて呉れたではないか。
帰りの足で其の現地へ赴き茄子や胡瓜やトマトが待ってますよとわたしの決断を促されたではないか。
大変な人物です。
仏のような人様のご好意を無碍に致すわけには行かないのです。
わたしは其の場で貸与を願い出た次第なのです。
此の歳にして急遽わたしの人生が再び急激に方向転換致したのです。