老いのひとこと

イメージ 1



町内の親睦会、日ごろ殊更ご近所とのご厚誼密に致すわけでもなく没交渉のまま過ごすのも宜しからんと敢えて参加致す。


今回は最寄りの公民館を借用しての開催であった。


まさに文字通りの食い放題飲み放題の大判振る舞いの歓待を受けたのです。


齢甲斐もなく呑兵衛を自負するものには垂涎の的のような清酒の瓶が目に入った。


ところが余りにも前衛的書風なのでよく読めない、よくよく目を凝らせば「漲」ちょうとある、成る程この文字はみなぎる「漲」なることが酩酊するわが眼に漸くとどく。


書家室谷一柊とあるが流行に疎いわたしには判りずらい。


さかずき一杯にみなぎり盛り上がる表面張力はさすが天下の宗玄酒造のお家芸ではないか。


老い果てたが過ぎ去りし往時を思い起こしつつ盃を重ねる。


ラベルには「みなぎるはわがこころいき」とあるではないか。


何時の間にか「漲」をふところに抱いたままわたしは家路についていたのです。


もちろん町会長さんや周りの方々に了解を取り付けたつもりではいるが、どうしようもないくらいにさもしく呆れ果てた奴が此処にいた。


 


目覚めの朝、次なる新年会にはより上等なものを恭しく提供いたすことを確と腹に決めました。