高知と京都をあるく≪3≫

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今治より国道317号線で松山に入る。


何と言っても道後温泉、是非とも湯に浸かりたい。


ナビには本館駐車場と指定したので容易く行けたが無料の箇所もあるので少し高台に留めることにした。


重要文化財の銭湯とは恐れ入る、格式高い明治の風貌をした「神の湯」に410円で浸れるとは有り難い。


平日の昼下がりでも芋の子を洗うがごとし。


天然石を刳り貫いたような湯船は深い、坊ちゃんが泳いだという謂れの通りです。


漱石と子規が恐らく爪の垢を洗ったであろう其の同じ湯槽に裸の付き合いができるとは何ともかたじけなく恐れ多いことではないか。


湯を両手で掬いぶるっと顔をぬぐう。


透明でさらりとした肌触り身も心も安らぎ温まる。


中央に湯釜と称する円筒形の物体あり、滔々と湯がほとばしる。


そこには何か得体知れぬ文字が刻まれるが皆目わからない。


上ってから脱衣場の解説板をみれば万葉歌人山部赤人の歌と判ったが不甲斐なくもなかなか意味を掴み難し。


待つ身の息子と家内からは長湯をとがめられた。


湯冷めをしてしまうと口説きながらも此の温泉は芯から温まる好い湯であったと褒めちぎっていたではないか。