老いのひとこと

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いやあ今時頼もしくも素晴らしい青年に出会ったものだ。


昼食を摂ってから雪空かしにとりかかった。


路肩にはブルによる圧雪がガードレール以上の高さに積み重なる。


丸スコで少しづつ叩き割りながらの作業をつづけた。


2時ころだったでしょうか通りすがりの一青年が手伝いましょうとわたしのスコップを恰も奪い取るかのようにして体を動かし始めたのです。


お手伝いしましょうかと問い掛けるのではなく逸早く手伝うことを前以て決意していたとしか言いようがない。


危うい恰好で仕事するわたしの姿を察しての一瞬の決断だったのだろう。


彼なりの正義に満ちた使命感が即座の行動を促したのでしょう。


か細い老人を助けようとの研ぎ澄まされた博愛精神の発露に他ならない。


まさに人間の善意の塊でできたような若者でした。


今時珍しいと云ったら彼には失礼になろうが素晴らしい心掛けの青年に出逢えて此れほどの悦びはない。


案の定工大生だった建築科1年IWAMI君と聞いた。


富山県出身で雪には慣れていますと白い歯で笑みが零れる。


野球で鍛えたらしく屈強な身体と精神、何と4時半過ぎまでの凡そ3時間近い労働で額には汗が光る。


ありがとう、言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちで一杯ですとしか言えない。


着替えて風邪を引かぬようにとしっかり勉強をして立派な人になってくださいと・・・。


間違いなく君は立派な人になろうことを信じていますよと別れを告げた。


云うに言われぬ喜びに浸った。