老いのひとこと

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下駄箱の奥から地下足袋が出てきた。


ケースに入ったままで用いた形跡はない。


買い求めた者はわたくし以外考えられないがわたしには記憶がないし身に覚えがない。


困ったものです、恐らくは畑仕事にか又は真冬の体育館での防寒用に仕入れたに違いないが完璧に失念していたことになる。


家内に気付かれず廃棄が免れただけでも拾い物、此の直足袋 ( じかたび )を活用しない手はない。


些か野暮ったく泥臭いが歩行訓練時の外歩きに履いてみることにした。


計量すればスニーカーより軽く1足250g、足の裏に旨くフイットし靴づれ無用なんとなく軽快そうに覗える。


ただ、防水加工がないので雪が融けた今時からが出番のようです。


確かに運動靴とは些か異なり完璧に慣れるには少しく日数を要するかもしれない。


 


 


チカ足袋と云えば地下足袋の本家本元ブリッジ・ストンさんつまり石橋財閥を思い付いた。


三池炭鉱の炭鉱夫たちが愛用し瞬く間に普及したのだという。


元総理として一世を風靡したあの華麗なる鳩山一族も此の地下足袋とは決して無縁ではないはず。


わたしの履く地下足袋は力王社製でメイドインフイリピンとある。


力王は国内シェアの70%を占めると云う。


(こはぜ)という留め金具5個付き普及品でお値段は×××円程度の代物です。


 


地下足袋姿で天下の公道を我が物顔で颯爽と闊歩する風変わりな変人が此処にいる。