老いのひとこと

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孫の卒論を見せて貰った。


膨大な資料を駆使しながら一角の学者さんのような12000字余の一大論文に仕上げたではないか。


当初は字句の添削でもと思ったがそれどころではない。


斯くも難解なる学術論文に対し軽々に手を出すなんて老いぼれには出来っこない。


そっと崇めおくしかないのです。


 


理科や算数はともかく国語が大の苦手で宮澤賢治の詩を空で憶えたりして苦手克服に励んだその成果が今此処に見事実を結んだのです。


雨にも風にも負けずによくやったものだ。


 


春のお彼岸には我が父母の墓前にて誇らしげに報告いたさねばなりますまい。


笑うことさえ知らなかった我が父も、そして母上もきっと笑みを漏らしてくれることだろう。


 


思い返せばわたしには卒業論文を書いた記憶がない。


其の名残りも片鱗すらどこを捜がしても出てはこない。


遠き過ぎ去りし時代を思い返せば虚しさだけが去来する。


古い記録を見れば演習4単位80点祭原とある。


実に空しい。


 


孫よ卒業おめでとう、積み上げてきた努力の成果は必ずやお前の血となり肉や骨格・人格形成に役立つことでありましょう。


 


 


乾杯!