老いのひとこと

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幾日振りかでキラキラ輝く陽の目を見た。


もう春です。


公園の蕾にもほんの微かに彩りを感じさせるが未だにまだまだ固いようだ。


ふと室内に取り込んだ桜の枝に目を遣れば何と一足早く蕾がほんのり色づき始めているではありませんか。


恥じらいを感じさせるようにそっとひとひら顔を出す。


うぶなしぐさが堪らない。


生きていました。


自然の摂理に蹂躙され見捨て去られた微かないのちを自らちゃんと永らえさせたことになる。


いのちの通う証を目の前にして今感無量なり。


花のいのちは短かろうが開花を前に満を持す、水滴に差された小枝に一人胸ときめかす。