鶏小屋のやーさんに誘われて春山ドライブに出掛けた。
ドライブと云っても軽トラックに二羽の鶏と共に同行させて貰ったことになる。
と云うのは山小屋に囲った鶏たちを豪雪被害で餓死させてしまった弔いだと云う。
いくら家畜であれ飢えと寒さに耐えきれず事切れたのだから哀れでやりきれない。
深雪で車が入れず、給餌を怠った報いなのだとやーさんは嘆く。
つまりは、新たな二羽を入居させる為に此のわたしは助っ人とて参ったことになる。
その亡骸が直ぐ横によこたわる。
大自然の為せるわざであり確かに自然災害かも知れぬがやーさんにすれば自分の不注意による人災に違いはないと悔やまれる。
後日、自分の手で手厚く葬ってやるのだとわたしの助力を拒まれたのでした。
厳粛な自然の摂理を直に目の当たりにした一日でした。