お百姓さんの真似事のような野良仕事に憧れてみたり羨ましがったりするかと思えば途端に手の平を返すように急旋回してぶつぶつ文句たらたら忌み嫌い扱き下ろし貶してしまう厄介者だ。
とにかく定まりの付かない変な奴だ。
どなたが植えられたものか長ネギに薹が立ったまま棒のように突っ立ちおまけに周りの雑草たちと覇を競い合っている。
それでもネギは枯れた大地にしがみ付いて必死に生きていた。
ぬしから見放されて不憫な奴ら共だ。
さながら虐待同然の此のネギ君に同情の目を注ぎ黙々と動き始めたお人が一人現われた。
先ずは雑草から解放し一とき収容施設に仮住いさせ追って別の畝に「切り戻し」してやろうと目下のところ鋭意取り組んでおる次第なのです。
台風通過を待ってとうとう此のような長屋の新居に整然と移り住むことが適いました。
ネキリトンの散布を忘れるなよ
とマッツアンからのアドバイスをいただいた。
転居祝いでまた一杯やらねばなるまい。