時たま栽培記録を報告し合ったりするのだがどうしたことかわたしにだけ花が来ない。
ヤキモキしながらも半分あきらめていたら或る日小さな異変に気付いた。
恥じらいを滲ませた初心な蕾を固く閉じたままのお姿なれどそれらしき兆しを見付けたのです。
未だ海の物とも山の物とも計り知れない代物だがひょっとして咲きがけの前兆かも知れません。
単調な生活サークルに身を置くものにはこんなに些細な出来事であったにしろ敏感に反応すべきだといつもおのれに言い聞かせているのです。
単調さを打破し覆すにはこんなにも安っぽく子供じみた戦法だけど此れしかない此れに打ち込むしかないとおのれを説得いたすのです。