子供じみたママゴト遊び、走禅登り禅に鼓禅その上に片足立禅と反り禅で締め括る。
毎度のメニューに飽きもせず独り精を出す。
その背後で紙飛行機研究家と紙飛行機愛好家のお二人がいそいそと競われる。
来る日も来る日も此の光景が此の体育館内で繰り返される。
ところがつい先日のこと紙飛行機愛好家のTさんがわたしに近付き突然暇乞いを為されるではないか。
此の度ゆえ有って東京の息子の下へ参りますとご挨拶を受ける。
格別懇意な間柄ではなかったがやはり寂しい。
秋深まる時節がら猶の事正直寂しい限りだ。
先般には古き知友寺西兄と河合兄の御両人とは今生の別れを告げねばならなかった。
処が不運にも義理の叔母の不幸と重なり葬儀には参列敵わず以来沙汰なしのままなのです。
愛想無ない薄情者が此処にいる。
烈風吹き荒ぶ荒涼たる原野にわれ立ち尽くし独り苛める。
彼の方々から受けた恩義に如何に報い償うべきか。
最善の方法をさがして今日も悶々とさ迷う。