老いのひとこと

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『あれからもう八年あと暫し此の小舟で漕ぎつづけます。』


 


出帆の日が2011年4月3日ならば2019年12月15日の終航まで8年と8カ月間の周航になる。


やがては其の間の航海日誌も閉じねばなるまいと思えば寂しい。


あと8ヵ月間の余命と心して最期を全う致さねばなるまい。


 


 


あの311の惨禍から戴いだ不思議な後光のようなわななく霊感のようなものを全身に浴びて言い知れぬ生きる力を授かりました。


 


 


「ちょっとやそっとの事で弱音を吐いてはあかんぜ」


「へこたれたらあかんぜ」


と元気をいただきました。


 


 


辿りつく当てもなく大海原に孤舟を浮かべ迂回するというよりもむしろ旋回するのみで一向に前へは進まぬ老い果てし漕ぎ手ではあるが自分の指針に忠実に殉じてゆきます。


 


 


只心残りは先方より頂くのみでお返しができない。


その不甲斐なさが情けなく悲しむだけです。


 


 


願わくば三度目の大川小学校訪問を企てねばならない。


もう一度だけあの校庭に足を踏み入れ杉木立から届く風の音に混じるあのざわめきを全身で聴き取らねばならない。


風化させてはいけないと思うだけです。