老いのひとこと

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天に御座すあのお方からそれとなくご忠告をいただきました。


ほんとうに有り難いことです。


 


お前さんはひと様の畑でいい気になって鍬を打っているがそんな悠長な事ようできますなあと皮肉っぽくおっしゃる。


そしてお前さんは夜毎偽善ぶって拍子木を打ち鳴らしているがもっと身近なことで為さねばならぬことがお在りではないでしょうかねえと軽く鼻先で笑われる。


 


家内が背戸の草がよう伸びましたねと草むしりに精を出す。


疎いわたしもそれを見てようやく気付きました。


天からのお告げが草むしりをしなさいとのお達しでした。


 


わたしは独り善がりな偽善者であったことに気付かされた。


 


此の醜さを少しだけでもカバーしなくてはならないと草むしりに専念したのでした。


自助自立自尊をモットーに天に恥じない生き方で明日に繋げることに致しました。


 


三角鍬で掻き毟り掻き集めた雑草の山を家内は手際よく袋詰めする。


翌朝には集積所へせっせと運ぶのです。