老いのひとこと

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ああ終わった。


ああよかった。


「三分の二に届かず」、ああよかった。


 


 


 


午後八時と同時に各局競って速報に殺気立つ。


自公強し、政権与党はやはり強し。


気の小さい小心者には耐え難い、見るに見かねてテロップの入らぬジャイヤンツ戦で気を紛らわす。


それでも気になるらしく恐るおそる地上波を覗けば益々以って改憲勢力は憎いほど強い。


もうダメだ。


もう諦めよう。


お終いだ。


 


いたたまれずに


やり場のない敗北感を抱きつつ


ふて腐れたツラのまま現実を逃避した。


寝るしかないと早々と床に潜り込む。


 


翌朝寝ぼけまなこで新聞の大見出しに


「三分の二届かず」


が飛び込む。


「ああよかった」と胸を撫で下ろす。


 


新聞の何処にも「ああよかった」の活字は在ろう筈がなかろうが記事の節々に其の安堵の色が漂うから不思議なのだ。


 


しかし安閑とすることなかれ。


早くも野党連合の脆弱地盤の切り崩し策が囁かれる。


将又、年内解散の兆し見抜く先見の目あり。


爪を磨いて虎視眈々と狙いを定む鋭きもう一つの目!


われ何が何でも九条改悪改憲だけは御免被りたい!


絶対に否なのだ!