老いのひとこと

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              無断掲載

「地方文書」をチホウブンショと読む程度のものが古文書解読講座に席を並べるなんて笑止千万、片腹痛しだ。

其処へ以って例によってやれ補聴器の性能がどうのマイクがどうのと見苦しい限りではないか。

しかし何はともあれリスリングの心積りで真剣に取り組んだことは確かだ。

微かにキャッチした語彙を連結し大意を自分なりに組み立てる。

やれば出来るではないかと自分自身を慰めるしかなかった。

本日宛がわれた史料は素朴な村人たちの肌の匂いを嗅ぐようなとても卑近な村方文書の数々でした。

一つは村の或る箇所から霊水が湧き遠方より人が集まり大騒ぎしている様子を村方が奉行所へ知らせる報告書。

一つは村のとても律儀な孝行息子を父親の看病のため暫し金沢に滞在させたい旨の嘆願書を郡奉行の役人宛に出した書簡。

一つは村のとある人物の永年勤務とその精勤ぶりを称え是非御加恩下されましとの嘆願書を同じく郡奉行の御役人神保舎人宛に出した書簡。

解らぬなりに自分なりに懸命に拝聴したことが唯一よかった事になる。