過保護過ぎた所為でしょうか、もやしっ子のようなひょろりとしたエンドウ豆の苗が育ってしまった。
そう云えば寒かろうと外気を避けて玄関先で発芽を促したのが間違いでした。
でも此の末成り子を見捨てるわけにはいくまい。
精魂を込め愛情を注いで育て上げねばなるまい。
窮屈なポットから母なる大地のふところにそっと抱かせた。
労わるように祈りを込めて露地植えにしてあげた。
独り立ちすら出来ぬ幼気な姿に藁すべを敷いて励ますことにした。
もうすぐ師走が追い駆けてくる。
木枯らしが待っている。
初雪の便りもすぐ其処だ。
早く根を張れ、そして大地の鋭気と滋養を吸い取り給え。
奥歯を噛み締め根雪の重圧に耐え抜き給え。
頼むぞ頑張れもやっしっ子。