老いのひとこと

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高橋川沿いのコスモス街道をしばし行けばキタウラ橋の欄干に出くわすがまさにその橋詰めに黄色き植物あり。

目を凝らせば紛れもなく遂先日に永久の決別を果たした毛蕊花=モウズイカではないか。

何の変哲もないこんなものを見て無性に喜びがこみ上げる。

笑いを失った此の齢老いし人物がニタニタ笑みを湛えて佇めば道行く御婦人が足を留めて視線をわたしにそそぐ。

それを感知したわたしは正気に返り「此れモウズイカ」ですよと声を掛ける。

「雄蕊に髭のように毛が生えているので毛蕊花と書きますよ」と得意げに語り掛けているではないか。

「もう少し立つと絢爛豪華な真っ黄色の花房になりますよ」と語り掛けようとしたが其の御婦人はもう立ち去られて其処には居なかった。

「捨てる神ありゃ拾う神あり」の格言通りでした。

不運と幸運は背中合わせにありますね。

人間万事塞翁が馬」、こんなことわざを思い出してしまった。

「むしらずにそのままにして置いてちょだい」と願った。