老いのひとこと

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        無断掲載

全剣連より対人稽古の自粛要請が4月3日に発令されて以来まる2か月間道場の床から遠ざかったことになる。

嘗ての平常が舞い戻ったわけではないが久方ぶりに鶴来道場へ伺った。

受付では検温が施され受付簿には住所氏名に年齢と電話番号まで要求された。

幸い使用者はなく広い道場を独り占めしてしまった。

道場の床の温もりを感知しつつ今日と云う日の有り難味が沸々と我が全身を包み込むのです。

制定居合十二本と剣道形十本に法定の形四本を立てつづけに演ずるがやはり悲しいかな二か月間のブランクの損失は補い難く随所に破綻を来たした。

細かい所作に失念箇所が頻発し我が身の至らなさを痛感する。

今迄の稽古がお座成りで真剣味を欠いた何よりの偽らざる証左を嫌と云うほど味わされた。

取り分け「法定の形」は表ずらを只単になぞるだけの修行では猿真似に過ぎなかろう、恥ずかしい。

でも焦りの気持ちはなかった。

その内おいおいと失った箇所を補修いたせばよいだけの話ではないか。

おのれを追い詰めるほど深刻に捉えることはしなかった。