歯の調子が宜しくないので鬱陶しさに輪を掛ける。
左右の犬歯がもう寿命が来たらしい。
何も考えずにポカーンとして居れば別段異常をきたすことがないが取り分け食餌時がままならない。
痛いのでよく噛めない、勢いよく噛み切ることが敵わない。
特に左がよくないので右側で食餌を咀嚼しようとすれば其の犬歯の隣との隙間にものが挟まり痛くて食餌が摂れない。
食餌は中断し洗面所へ走り込まねばならない。
次第に食餌が苦痛に転ずる。
最早生きる価値なき存在へ落ちぶれてしまった。
さりとて歯医者へ駆け込む勇気もない。
必ずや抜歯の処刑が待っている。
愈々アタマが可笑しくなるおのれをヤバイと思いつつ溜め息を吐くばかり。
長雨も手伝って鬱陶しさに更なる輪を掛ける。