老いのひとこと

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逢引するが如き切ない思いで欄干に立ち身投げするかの如く身を乗り出し川面を見詰める人あり。

安物のデジカメを取り出し待機する。

実は昨日も同じしぐさで目を皿にして高橋川の清流を見下ろした。

行きずりの見知らぬ人も興味深げに赤き物体を目で追っていられた。

つがいのような二匹が連れ添うように仲良く泳ぐ。

アユの群れにちょっかいを掛けるように馴れ馴れしく馴染んでいる。

その翌日も欄干に立った。

赤き二体の物体が今日は一つしか目には入らない。

能々観察したが一匹しかいないではないか。

如何なる異変が生じたものかとあれやこれや想いを巡らすが心が曇るばかり。

不憫なことになってしまったと心がズキンと痛む。